10万個の子宮

先日、予約しておいた『10万個の子宮』がAmazonより届き、読ませて頂きました本

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著者の村中璃子さんは子宮頸がんワクチンにより10代女子に痙攣や手足が動かないという副反応が生じ、世論が反ワクチンとなっていた時も、外部の圧力に負けず、

『若い女子たちの症状は、本当にワクチンの副反応なのか?』

ということを書き続けていた女医さんです鉛筆

その功績が認めら、科学雑誌『ネイチャー』などが共催するジョン・マドックス賞を日本人として初めて受賞しましたキラキラ

ジョン・マドックス氏は『ネイチャー』の編集長を22年務めた人物で、彼の名を冠したこの賞は、困難や敵意に遭いながらも、公共の利益のためサイエンスを世に広めた人物に与えられるものですキラキラ
 
この審査委員会の講評はこのようなものでした。

『子宮頸がんワクチンをめぐるパブリックな議論の中に、一般人が理解不能な形でサイエンスを持ちこみ、この問題が日本人女性の健康だけでなく、世界の公衆衛生にとって深刻な問題であることを明るみにしたことを評価する。その努力は、個人攻撃が行われ、言論を封じるために法的手段が用いられ、メディアが委縮する中でも続けられた。これは困難に立ち向かって科学的エビデンス(証拠)を守るというジョン・マドックス賞の精神を体現するものである。』

日本では毎年3000の命と1万個の子宮が子宮頸がんにより奪われているそうです。

現在、ワクチンの副反応に対する国家賠償請求訴訟が終了するまでに10年を要すると言われ、それが終了するまで、頸がんワクチンの接種勧奨の一時差し控えは撤回されないだろうと言われています。

ですので、あと10年、毎年1万個の子宮が奪われ続ける・・・

そういう意味で村中さんは『10万個の子宮 』という題名にされています。

子宮頚がんはパピローマウイルスにより引き起こされる癌で、最近特に20〜30歳代に増加しています。(この年代の死亡率の第一位です)

若い女性や子育て世代の女性が子宮頸がんに罹患し、妊娠能力や命を失うことは、深刻な問題です。子宮頸がんの予防対策として検診が行われてきましたが、日本の検診受診率が30〜40%台であり、欧米先進国の70〜80%台と比較して低いことから、検診のみでこれ以上子宮頸がんの死亡数を減少させることは難しい状況です。

頚がんワクチンは悪性度の高いパピローマウイルスに対するワクチンです。

子宮頸がんワクチンは2013年に定期接種化され、わずか2ヶ月で『積極的な接種勧奨の一時差し控え』という政府の判断がなされました。接種後に、けいれんする、歩けない、慢性の痛みがある、記憶力が落ちたという神経の異常を訴える人々がいたからです。

これがワクチンによる副反応なのか?

同じような副反応が報告されても、日本と他の国では対応が違いました。イギリスで定期接種導入後、ワクチンの副反応の報告もあったそうですが、2年位で鎮静化してしまいました。(誰しも、新しいワクチン接種後にだるくなったりするとワクチンのせいするという事ですもやもや)

また、アメリカでは反ワクチン派が科学的根拠のない事をいうと、政府や小児科学会が 『それは間違っていますよ』とちゃんと報道していました。

けれども、残念なことに日本では日本小児科学会元会長や日本自律神経学会理事長など、大御所と思われる医師数人が『ワクチンのせいで脳に炎症が起きた!新しい病気だ!子宮頸がんワクチン関連神経免疫異常症候群(HANS)という名前にしよう!』と言い出しました。

多くの小児科、小児精神科医は、『下痢・嘔吐、月経不順、運動麻痺・脱力・痙攣(転換性障害)、記憶障害、意識喪失、幻覚などを生じる身体表現性障害』という病気を頸がんワクチンが登場する10年以上前から診てきました。

私の専門領域でも、変な事を主張している有名な医師という方はいますぼけー

新たな病名を提唱しておけば、それが後々認められた場合、大きな功績となります。一旦HANSという病名を掲げてしまったので、違うと思っても引っ込みがつかなくなってしまったのかもしれませんぶー

また、昔から身体表現性障害の子はいたと書いてあったので、

『ワクチンがなかった時は、何がきっかけでそんな症状がでてたの??』と小児精神科の親友にきいてみましたえー?すると、 『きっかけはなくてもなるの。心理的な問題だから、治療も根気が必要で簡単には治らない。

ワクチンの副反応と誤解されている解離性障害・転換性障害っていうのは、昔はヒステリーと呼ばれていた病気。ヒステリーって語源がヒステリアっていう子宮の意味なの。

フロイトの症例では、思春期の少女が誰かに性的欲求を感じ、それを無意識に抑圧して突然に動けなくなったり、過呼吸になったって分析している。ここが賛否両論で、フロイト批判にもつながるんだけど……。思春期の女の子が、ワクチンから子宮や性行為を連想することで、より解離性障害を起こしやすいのかもね~。』

と答えが返ってきました。なるほど!専門家らしい分析ですねー納得、納得キラキラ

名古屋市でもワクチン接種群と非接種群において、上記の様な症状があるかどうか調査したところ、どちらも有病率は変わらない結果がでました。
けれども、被害者の会などの反ワクチン派から批判されるのを恐れて、『因果関係はない』と公表できませんでした。
NHKや民放、新聞でも、反ワクチン団体から苦情が来るのを恐れて、反ワクチンの情報や情報を曲解した報道が多かったそうです。
日本では反ワクチン論者の多くは、反安倍政権、反原発、反安保とセットになっていることが多く、反ワクチン論者は、ワクチンを推進しようとする医師を『製薬会社からお金をもらっている』と批判したり、頸がん患者が自分のように癌になってほしくないとワクチンの必要性をメディアで訴えると『男遊びしていたから癌になったんだ!』と個人攻撃をするそうです。
(ちなみにパートナーが1人でも頸がんにはなるので、経験人数が多いから頚がんになるわけではありません。)
日本では頸がんワクチン接種後に症状を訴えている人々への救済処置がとられています。
ワクチンを接種した方338万人中、症状を訴えたのは1739人、9割は回復しており、未回復者は186人で、ワクチン接種者の0.005%です。しかし、このデーターが発表された際も『1割は未回復』と報道され、あたかも全ワクチンの接種者の1割が今でも副反応に悩まされているような印象を与えたました。
 
頸がんワクチンは、現在世界130か国で承認され、71か国で女子に定期接種、11か国で男子も定期接種となっています。男子にも摂取するのは、肛門癌や咽頭がん、陰茎がんなど男性にも多い癌を予防し、女性の多くが男性パートナーから感染するからです。アメリカでは女子で65%、男子でも56%が初回接種を受けています。
 
2017年WHOは以下のような声明をだしています。
『ワクチンを適切に導入した国では若い女性の前がん病変が約50%減少したとのは対照的に、日本の子宮頸がんの死亡率は1995年~2005年の3.4%から2005~2015年には5.9%に増加している。増加傾向は今後15歳から44歳で顕著になるだろう。
7万症例以上の分析を行った所、頸がんワクチンと様々な症状の因果関係は認められていない。しかし、科学的根拠とは裏腹に、世界では誤った報告や根拠のない主張が注目を集めている。』
現在、日本は先進国にも関わらず麻疹が発生し、『麻疹輸出国』と言われ先進国から嫌がられています。また、風疹ワクチンを接種しなかった世代の妊婦さんが風疹にかかり、赤ちゃんが難聴などの先天性風疹症候群になってしまう例もありますもやもや
当院スタッフに聞いてみたところ、頸がんワクチンを実際に接種しているのは、
私ともう一人同世代の看護師だけでしたガーン
二人とも、10年以上前に日本に頸がんワクチンが導入されてすぐに取り寄せて注射したパターン注射
その下の世代の子に聞いても『打ってませんよ~。そんなのあるんですかぁ~??』と言われる始末です笑い泣き
現在、横浜市では小学6年生から高校1年生までは公費のため無料で接種できます。しかし、接種を受ける人数があまりにも少なくなってしまった為、ワクチン自体を取り扱わなくなってしまった産婦人科も多く、國井先生のクリニックも今は扱っていないそうですショック
さて、このまま10年経過したら日本では頸がんになってしまう方は増えてしまうのでしょうねアセアセ
村中さんが危惧するように、10万個の子宮が失われる可能性があります。
多くの人はこのまま頸がんワクチンを誤解し、接種しないのでしょう。
村中さんがジョン・マドックス賞を受賞した事を報じたメディアも限られていたそうです。
けれども、ちゃんと知っている人は公費でも自費でも打ちますグー
(私の周りの女医は大体打ってます)
医療リテラシーの有無によって、人生が変わってしまう・・・・・・うずまき
自分や大事な人の癌リスクが減らせるのに、ワクチンについて誤解し、接種しないことで
結婚して、子供を産む頃になって『頸がんです』と告知されるドクロ
皆さまには、メディアや世論に流されず正しい知識を身につけて頂きたいです。娘さんのいる方、頚がんワクチンってどうなのかしらと思っている方、ご興味のある方は是非読んでみて下さいねお願い
篠田でしたおすましペガサス

10万個の子宮 ¥1600

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