日別アーカイブ: 2019/6/21

僕が夫に出会うまで

今日はこちらの本のご紹介をしますニコ

2019年2月から文藝春秋オンラインで連載、ランキング上位を独占し、書籍化されました。

ザックリ言うと、ゲイの方の青春、友情、恋愛、葛藤を涙あり、感動ありで書いてある本です。

 

北海道で生まれ育った七崎さんは、セーラームーンのおもちゃをサンタさんにお願いし、

普通に振舞っているつもりでも、周りから「おかま」と呼ばれてしまいます。

 

小学校の担任の先生にも

「ぶりっ子をしているから、オカマに見えるんだよ。そのまま大人になっちゃたら大変だよ。

そのまま大人になっちゃたら、すごく困ると思うよ」と言われ、深く傷つきます。

 

中学生になって、初めて好きになったのは男友達。

そして、その子に彼女ができると、ヤキモチを焼きます。

 

ゲイである自分を否定したくて、女の子と付きあうこともありましたが、やはり好きなのは男の子。

当時付き合った元彼女も、ヤンキータイプで、大人になってから連絡してみたら、

男性になっていたそうです。(彼女は体が女、心が男の、トランスジェンダーだったのですね)

彼女も、カモフラージュのために、七崎さんと付き合っていたのでした。

 

中学時代まではいじめの対象にもなりました。

 

廊下で殴られ、息が止まるのも、何度も経験したし、トイレで胸ぐらをつかまれ、

顔にツバを吐きかけられたこともある。

殴られたり蹴られたりしたアザや、シャープペンを刺された痕は今でも消えていない。

いつも不意に殴られていたものだから、25歳を過ぎる頃まで、背後に人が立つだけで、

ギクリとしてしまうようになっていた。”

 

”当時の僕は、殴られた日は「今日は運が悪い日」と思うようにしていた。

先生には「お前が男らしくしていないから、からかわれるんだ」と注意をうけていた。

自分では普通にしているつもりでも、「オカマ」や「ぶりっ子」と言われてしまう自分が嫌いで、

殴られたりすることよりも、自分を嫌いなことの方が辛かった。

 

常に否定され続け、自分自身をゲイだと認めたくなくて、もがいていた中高時代は辛かっただろうに……と思いますぐすん

 

高校を卒業し、上京してからも、ゲイであることを隠していたのですが、

失恋している女友達と飲んでいる時に、思わすカミングアウトしてしまいます。

ゲイなので、普通の結婚ができず、孤独死だと嘆く七崎さんに、女友達が言います。

 

”「ななぴぃこそ、誰よりも幸せにならなきゃダメだと思う!

今後生まれてくる、ななぴぃみたいな人たちのお手本になれるように、

ななぴぃ自身が幸せにならなくてどうするの!

幸せになる事を諦めちゃだめだと思う!」”

 

自分を否定しがちだった七崎さんは、ここから徐々に周りの友人にカミングアウトし、現在では、

励ましてくれた女友達とジュリアス(Juerias LGBT Wedding)という会社を立ち上げ、 

どんなカップルも安心してウエディングができるようサポートしています。

 

結婚式の運営だけでなく、法的に婚姻が認められていないために起こりうる弊害を、

可能な限り排除するための公正証書作成に向けた、法律家の紹介や、生命保険、不動産、

死後の問題など、それぞれの企業と連携してサービスを提供し、イベントや勉強会なども行っている

そうです。

 

最近では、メディアでもLGBTの方が、主人公の作品が増えている気がしますブルー音符

去年は「おっさんずラブ」も大ヒットしました。(←面白かったですウシシ)

 

今期も、ゲイカップルのほのぼのした料理ドラマ「きのう何食べた?」や、

本屋さんでレシピ本も平置きされていました⇩

ゲイで女装家の「俺のスカートどこいった?」など、ポピュラーな題材になっていると感じます。

 

けれども、私達がメディアで受け取る、コメディー路線の明るい面だけでなく、

こちらの本では、暗い側面も知ることができました。

 

例えば、ゲイのホームパーティーで財布を盗まれてしまい、盗難届を出そうとしたところ、

「ゲイだから、犯人を捕まえても、好きになっちゃうかもしれないでしょ?」というよくわからない

理由で、紛失届にさせらてしまったり……。

(実際、犯罪にあっても、ゲイバレするのが嫌で、届けられないこともあるそうです。

吉田修一さんの小説「怒り」でも、ゲイだから犯罪被害にあっても声を上げられないという話がでてきたので、よくあることなのでしょうね。)

 

元彼女がトランスジェンダーで、身体を男性に変えたら、会社を辞めざる得なくなったとか……。

お母さんにカミングアウトしたら、拒絶されたり……、楽しい事ばかりではありません。

 

しかし、七崎さんの文章はとても読みやすく、性的な部分も赤裸々に書いてあるのですが、

希望を持って、明るい未来を信じよう!というポジティブなパワーであふれていました。

 

作中にはこんな文章もあり……

”「当事者にあった事が無い」「身近にそんな人はいない」という人が多くいるが、それは間違いだ。

人権先進国では、多くの人が「当事者が身近にいること」を知っている。

カミングアウトをするかしないかは個人の選択で、正解はない。

だたこの国に、カミングアウトを「したくてもできない」人が多いのは、日本の社会が不寛容過ぎるからだと思う。”

”クラスに一人はいると言われているからね。

みんな隠しているだけで、左利きの人と同じくらいの割合でいるんだよ。”

 

もしかしたら、私が気が付いていず、相手がカミングアウトできないだけで、

LGBTの方がいるのかもしれない……。

「まだ結婚しないの??」とか、私も40歳近くなる男性に聞いてしまう事があるけれど、

もしかしたら彼もゲイで、傷つけてしまっているかもしれない……アセアセ

ゲイでなくても一つの価値観を押し付けているのかもしれないガーンと、少し反省しました。

人々の認識や制度が改善し、LGBTの方も不自由なく、幸せに暮らせる社会になればいいですねキラキラ

篠田でしたおすましペガサス

 

文春オンライン 「僕が夫に出会うまで」 何話かこちらで読めます⇩

https://bunshun.jp/category/boku-ga-otto-ni-deaumade