こんにちは、皮膚科中村です
本日は多汗症についてお話しさせて頂きます
元々、汗は体温調節や保湿の役割がありますが、発汗量には個人差が大きく、
汗が多くても患者さん自身がお困りでなければ治療のた対象にはなりません。
しかし、日常生活で困っている場合には、発汗量がたとえ中等度、軽度でも
治療の対象になります
例えば、接客業で顔からの汗が気になる
人と接触する職業、美容師や看護師、介護士、
お子さんでも教科書やノート、試験の際に手が汗で塗れてしまい紙がふやけてしまうなど、
日常生活に大きな影響を与えます
多汗症は命にかかわる病気ではありませんが、患者さんのQOL(生活の質)に大きな影響を及ぼします
多汗症は、原因不明の『原発性(特発性)多汗症』と、
何か原因があって発症する『続発性(二次性)多汗症』に分けられます。
続発性多汗症の原因として、甲状腺機能亢進症や糖尿病などの代謝内分泌疾患や、
パーキンソン病などの神経疾患、自律神経異常、更年期障害、薬剤性などがあります。
クリニックにいらっしゃる場合には、まず、何か原因があって多汗症が起きているのか
鑑別する必要があります
続発性多汗症の場合には、原因疾患により治療法が異なりますが、原発性多汗症では
・内服(保険)
・外用(自費)
・ボトックス注射(自費)
があります。
内服は、全身に効果がありますが、口渇、便秘、尿が出ずらくなるなどの副作用があるため、前立せん肥大や緑内障の患者さんは内服ができません
外用は塩化アルミニウム(当院ですと「パースピレックス」)を使用します
汗の管の出口をふさぐ塗り薬になりますが、刺激性があり、かぶれやガサガサになることが
あります。(パースピレックスは一般の塩化アルミニウムよりもかぶれにくい処方になっています。)
ボトックスの注射は汗を出す神経のシグナルをブロックする作用があります
効果は4-6か月と個人差がありますので、持続効果を望まれる場合には、
年に数回の注射が必要です。
注射の際にのお痛みが気になる患者様には、麻酔のご用意もあります
夏のTシャツの時期だけでなく、セーターを着て汗をかいてしまう方が
秋冬にされる事もあります
患者さんのライフスタイルやご希望を伺いながら、治療方針を相談させて頂きます
多汗症でお悩みの患者さんは是非一度ご相談くださいね
中村でした
パースピレックス ¥5000
わきボトックス ¥35000 ¥64000(Botox VISTA)